The 八ヶ岳のログハウス 解説(屋内編)

先日のブログ「The 八ヶ岳のログハウス」で紹介しました「RANTASALMI PUISTO バーチャルツアー」ではたくさんの方にログハウスの心地よさや八ヶ岳の自然環境の豊かさを感じていただけているかと思います。

この作品の目的はランタサルミログハウスの目指す住まいや環境の心地よさを伝えることと、もう一つは住まいの心地よさを支える裏側、つまり建物の性能を直感的に感じていただきたいと思って製作しました。

住まいは見かけだけではなく、中身が大切なこと、中身がしっかりしている住まいには休息感が生まれることなどが映像を通して伝われば幸いです。

 

 そこで、今回は解説編です。

作品の中に「 i 」のかたちのリンクボタンを押すと開く写真で施工の裏側が見えるようになっていますが、映像ではあえて説明を省いたのでこちらで解説させていただきます。

まずはこちら「LOG WALL」のボタンで出てきます。

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ログハウスの壁は100%木の壁で出来ています。

一般住宅のように外壁+断熱材+内壁という壁構造では無く、ラミネート材という無垢の木を貼り合わせて狂いや割れをおさえたフィンランドパインを加工して横に積み上げていく方法で壁を作ります。

木を横に積むので耐震性は非常に高いのですが、さらに金属パイプなどを使用して補強を行っています。

また、ログ材の上に貼られた2本の気密テープで隙間をなくし、住まいとしての完成度を高めています。

 

 

 

 

ログハウスの快適さの中心になるのが他の建築に類を見ないこの木材のボリュームです。

木材の持つ性能の主なものは断熱性・吸放湿性・蓄熱性に加えて香りを伴う精神的なリラックス効果などがあげられます。

実は木材の持つ性能はすべて人間が暮らす住まいに適しています。

私たちの仕事はこの木材が持つ性能を最大限に引き出すこと、施工方法の追及は木材の性能をどれだけ発揮させることが出来るかの追及でもあります。 

 

 

続きましては「INSULATION」 いわゆる断熱材です。

 

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 写真は屋根面の断熱施工の工事写真です。

45mm×195mmという大型の屋根下地材の間に170mm厚のウレタン断熱材を現場発泡で吹付けます。

 

 

 

現場発泡のメリットは写真でもわかるかと思いますが隙間ができにくく、切ったり貼ったりが無いので均質な断熱施工が出来るところです。

また、雨音の静かさも休息には大切な要素です。 

 

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 壁・屋根とも吹付け後は防湿シートを貼り、気密テープでつなぎ目を留めてから天井のパイン材を貼っていきます。

吸・放湿は天井材からだけです。断熱層はドライな断熱層としてだけ使用します。

 

 

 

下地材の吸湿で木材の動きが大きいと断熱材と木材の接着が切れてしまう可能性も考慮して防湿シートを使用しています。 

断熱材に使用した「株式会社日本アクア」のWEB SITEはこちらです。

 

 

続きましては「WINDOW」です。

北欧の窓の特徴は木枠の頑丈さや断熱・遮熱性能があげられますが、ランタサルミログハウスで標準採用されている木製のドレーキップ窓はその機能にも特徴があります。

また、住宅の素材選びにおいても床材や建具など体に直接触れる部分に高品質なものを使用すると生活のなかでの満足感が高くなります。

 

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 北欧のドレーキップサッシは簡単なレバー操作だけで4種類の開閉状態を作ることが出来ます。

まずはレバー下向きの閉まっている状態です。

この状態は隙間をなくして完全な気密状態が出来上がります。

気密が高いため、遮音性にも大変優れたサッシになっています。 

 

 

 

  

 

 

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下向きのレバーを横に向けると内側に横開きで開きます。

風をたくさん入れたいときや窓の外側を掃除したいときなど便利です。

また、網戸は外側についているので開閉時に虫が入ってくる心配もありません。

 

 

 

 

 

  

 

 

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 つぎはレバーを水平から45度にします。

45度にすると気密が少しだけ緩くなってすきま風が入ります。

長期の外出時や冬場の換気不足を補うのにとても便利な機能です。 

 ドレーキップ木製サッシではすきま風は勝手に出入りするのではなく、住まい手に管理されるようになります。

 

 

 

 

 

 

 

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4つ目はレバーを上向きにした状態です。

この状態ではガラスが内側に少しだけ倒れます。

この状態で外出もできますので夏場など買い物に出かけるのに締め切ることなく、就寝時にも自然換気をすることが出来ます。

外出先から帰るたびにムッとした室内に戻る不快さから解放されます。

 

 

 

 

 

 

 

すべての木製サッシは工場で塗装されてきますので品質も耐久性も非常に高くなっています。

 

 

というわけで、一度に解説してしまおうかと思いましたが、とても長くなりそうなので(屋内編)ということで屋外と2回に分けさせていただきますね。

森の中で虫の声を聞きながら長い解説ブログを書いていると夏休みの自由研究を思い出します。

ランタサルミの美しい住まいは映像から伝わるかと思いますが、その性能もわかりやすく伝わるように努力しますね。

 

というわけで、「The 八ヶ岳のログハウス」の解説(屋内編)でした。

説明とあわせてのRANTASALMI PUISTO バーチャルツアーもお楽しみください。