ログハウスで快適に過ごすコツ

今年は、梅雨入り前に夏の暑さが続いていますね。

実は、ログハウスって梅雨入り前の暑い時期が一番室内の居心地の良い季節なんです。

日中、陽射しがきつい時に、室内に入って、サラッとヒンヤリして、「ログハウスって涼しいな~」と、感じやすいのは、今の時期です。

外が、どんなに暑くても、室内はヒンヤリとし、ベタつきを感じません。

これが、本格的な夏に入るにつれて、蒸し暑いとまでは言いませんが、今の時期のヒンヤリ感は薄れていきます。

このあたりの理由を理解して、うまくコントロールできれば、ログハウスで快適に夏を乗り切ることが出来ます。

仮に、1棟のログハウスの外皮の総面積を100としますと、ざっくりログ壁の占める面積は35%、3角形の妻壁面積は15%、屋根の面積は40%、窓ガラスの面積は10%、の割合で、ログハウスは構成されています。

(建物外皮には基礎部分もありますが、話を単純にするために基礎部分は考慮しません)

この部位ごとの割合って、それぞれに役割も違えば、性能も違います。

その中で、よく知られている木材の調湿・蓄熱効果を担当しているのはログ壁ですが、断熱性能においては屋根・壁の部位に劣ります。

弊社仕様の134mm厚のランタサルミログハウスで言いますと、ログ壁の断熱性能を1とすると、屋根は4倍、妻壁は2倍強、窓ガラスは0.7倍の断熱性能の構成になっています。

(この断熱性の倍率は各社、それぞれの考え方で仕様が決められ、最終的にはUa値という各部位の平均点で評価されます)

断熱性が、ガラスの次に低いログ壁は真夏の陽射しにあたり続けていると、その断熱性能と木材の持つ蓄熱力とが、あいまって、外側から次第に温まっていきますので、梅雨があけて、夏日が続いていく中で熱を蓄えていきます。

と、いうことは、なるべくログ壁に直射日光があたらない工夫をしていくことが、ログハウスで夏を快適に過ごすコツ、ということになりますね。

これは、冬には逆でログ壁を冷やさない工夫が必要ということにもなります。

木材は、夏の間に湿度と熱を蓄えて冬に備え、冬は湿度と熱を逃がして、初夏の暑さに備えることで、1年間を通して室内環境を安定させる、という仕事を住まい手のために一生涯続けてくれています。

文頭に、初夏の頃のログハウスが、一番、居心地が良いと申し上げたのも、木材が今年も変わらず働いてくれているということですね。

ただ、不快さを感じないレベルで、このサイクルをまわしていくには、134㎜だとちょっと足りない感じがします。

その部分は、ログ以外の部位の断熱性能バランスの変更や、平面プランや植栽によって、直射日光から木材を守ることが、ログハウスで、四季を通して快適に過ごすコツになるかと思います。

木材の力や、建物外皮の部位ごとの性能・役割を理解して、素材をうまく生かしながら、年々厳しくなっていく夏に備えて参りましょう!!