基礎の丁張りとその作り方

建物をつくるとき一番初めにつくるのが丁張り(水盛り・遣り方)とよばれる仮囲いです。

工事が始まる前に見かけることも多いと思いますが、建物の配置決め、基礎の高さ、水平、直角の基準となる墨(線)を出すために作ります。

2次元で表現される机の上のA3図面から現場に移ってはじめて3次元の原寸大基準が出来るというわけです。

 

今回は現在進行中のランタサルミログハウスO様邸の現場をおかりして丁張りの作り方をご紹介しますのでログハウスのセルフビルドやDIYで小屋の基礎などを作る方の参考になればと思います。

 

準備するものはヌキ(18mm*90mm)・杭・カケヤ(木槌)・水糸・メジャー・釘 等です。

丁張り7材料.jpg

 

まずはじめに隣地境界線にテープを張りそれを基準に建物の配置を決めて建物の形の地縄を張ります。

(このときの地縄を正確に張るのが作業しやすい丁張りをつくるポイントです。)

丁張りは建物位置から1M以上離して作ります。(1Mより狭いと仕事が出来ませんが広い分には問題ありません)

地縄を張ったらそのまわりに等間隔に並べていきます。

今回は敷地に余裕があるので1.5Mくらい離して作ります 。

丁張り1.jpg

 

並べたヌキにあわせて杭を打ち込みます。

1本4Mのヌキに対して各3本の杭を打ち込みます。

丁張り2.jpg

杭を打ち終わったら杭に水平の墨(線)を出してその墨に合わせてヌキをとめつけていきます。

ヌキの上端の高さは基礎の仕上がり高さから10cmくらいの高さだと仕事がやりやすいと思います。

今回はヌキの下端を基礎の仕上がり高さにしたので基礎の仕上がりより90mm高く丁張りを掛けたことになります。(横に打ったヌキの下端の高さが基礎の高さです)

丁張り3.jpg

水平のヌキをとめつけたら次は横揺れしないように筋交いを取り付けます。

丁張り4.jpg

 

筋交いを取りつけたら次は杭が動かないように杭にも筋交いを取りつけて仮囲いは完成です。

丁張り5.jpg

 

仮囲いが完成したらヌキに建物の寸法を正確に墨付けをしていきます。

水平を出したときの墨と仮囲いの完成後に出す直角の墨はレーザー墨出し機を使用します。

この機械からレーザーが照射され、水平と直角を簡単に出すことが出来ます。

丁張り6墨だし機.jpg

レーザー墨出し機は便利ですが高価(5万円~20万円位)なのでセルフビルドで利用するのは難しいと思います。

その場合、水の入ったポリタンクやバケツと10Mくらいの透明ホースがあれば水平を出すことが出来ます。

直角は3対4対5を利用してつくることが出来ます。

3.4.5を使って直角を出すときは、先に建物の4隅の墨を出し、水糸を張ってみて対角線の長さが同じなら直角が出ていますのでそれを確認してからほかの墨をつけていくのをお勧めします。

 丁張り完成.jpg

墨の正確さを確認したら丁張りの完成です。

何事も段取り8分、最初が肝心で丁張りが上手に出来ると次の仕事もやりやすくなります。

 

丁張りの作り方のご紹介でした。

 

これからもセルフビルドの方々に少しでもお役に立てるように

ログハウスの作り方をポイントごとに詳しく紹介していきますので参考になれば幸いです。 

 

また、「基礎からはじめるログハウスの作り方」は弊社HPの「進捗状況」でも報告していきますのでこちらも参考にしてください。