ログハウスと一般住宅の違い

現在進行中のランタサルミログハウスU様邸は既存の建物を解体してから工事を行う建て替え工事です。

築15年の一般住宅ですが、建物の解体の様子を通して今回新しく建てるログハウスとの仕様の比較をしてみたいと思います。

「建てた最初の冬にあまりに寒くて建て替えを検討し始めた」

というU様に選択していただいたランタサルミログハウスの構造の裏側を見ていただければと思います。

まずは基礎工事からです。

こちらでは一般的な布基礎で作られていました。

換気口を設けて床下を換気しています。

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新築の基礎は基礎断熱のベタ基礎を採用します。

線で建物を支える布基礎に対して面で支えるベタ基礎を基礎の外側から断熱します。

さらに、コンクリートのつなぎ目の無い一体打ち工法で一枚岩のような基礎が出来上がります。

下の写真が工事の様子です。

断熱型枠を採用したタイトモールド工法でコンクリートのつなぎ目の無い一体型のベタ基礎を作ることが出来ます。

(完成したら見ることが出来ない基礎工事だけをまとめた施工例はこちらで見ることが出来ます。)

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基礎断熱を行うことで地面にもともとある地熱を利用することが出来るようになります。

冬は外気温が-10℃でも基礎内部は8℃くらいに保たれます。

逆に夏は外気温が35℃でも基礎内部は23度くらいなので室温を下げるのに役立ちます。

また、コンクリートのつなぎ目の無いベタ基礎は強いのはもちろんですが、シロアリの侵入や雨水の床下への浸入を防いでくれます。

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次は屋根面の構造です。

下の写真は解体途中の屋根です。

一般住宅では標準的な構造かと思いますが、構造材は小さく、夏の熱い陽射しを遮る断熱材は2階の天井裏にグラスウールが敷きこまれていました。

 

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ランタサルミでは屋根の構造材にもがっちりとした大きな材料を使用します。

素材はもちろんフィンランドパイン100%です。

大きな梁に釘留めでは無く、金物で両サイドから固定します。

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屋根面での断熱は195mmの垂木の中に170mmの厚みでウレタンの吹付け断熱を行います。

断熱工事の完了時は下の写真のようになります。

さらに防湿シートを貼って天井材を貼ります。

ちなみに壁は100mm厚で同じく吹付けを行います。

 

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在来工法では50mmのグラスウールが貼られていました。

50mmという厚みもですが、どうしても窓周りに隙間などが出来てしまいますね。

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一般的な在来工法が上の写真のように柱の間に断熱材を入れているのに比べてログハウスは下の写真のように無垢の木を組み合わせることで壁を作ります。

 木を横に組むことで建物倒壊の危険性が非常に低いことは、見た目にもわかるかと思いますが、この20年で起きた大きな震災でも報告されています。

 

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下の写真が今回のU様のお宅でも使用するログ材です。

2枚の木を背中合わせで貼りつけたラミネート材を使用しています。

ラミネート材の特徴はくるいや割れが出にくく雨水や風が浸入しにくくなっています。

この材木そのものが一般住宅での仕上げ材と断熱材の役割をします。

以外と知られていないログハウスの防音効果も一般住宅との壁構造の違いによるものです。

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 上に2段飛び出している加工が気密性を高めて建物としての完成度を上げてくれます。

 

 

 

 

 

組上げは木を組み合わせるだけではなく、下の写真のようにスチールパイプや全ネジボルト、木栓などを使用して頑丈に組上げていきます。

 

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また、直射日光にさらされる屋根材の下には通気メッシュ材を使用します。

通気材を使用することで日光により熱くなった屋根材の熱が垂木や合板を通して室内に伝わるのを軽減してくれます。

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屋根面を通った熱い空気は屋根の頂上部分から排気されます。

屋根材直下で換気することで野地板合板が蒸れるのを防ぎ、耐久性を上げてくれます。

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また、ランタサルミログハウスでは北欧の木製サッシを使用します。

既存の建物は国内では普及率の高いアルミサッシが使用されていました。

 

 

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ランタサルミログハウスで標準採用されているペアガラスの木製ドレーキップ窓です。

レバー操作で気密、内開き、換気、内倒しの4つの機能を持っています。

下の写真は内開き状態です。

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レバー操作で下の写真のように内側にサッシが倒れます。

夏はこのままお出かけできますので帰宅時に室内に熱気がこもっている状態にはなりにくいです。

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暖房設備でも地熱を利用した土壌蓄熱暖房サーマスラブを採用します。

地熱利用で深夜5時間のみの通電で基礎に作られた蓄熱体を暖め、それを日中放熱する方法で家中を24時間、寒くない状態にしてくれます。

また、今回ご紹介した無垢の木を使用したり、水準の高い工事を行うことで土壌蓄熱暖房の効果はさらに高まり、年間を通して快適な暮らしが出来るようになります。

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 ということで、ランタサルミと一般住宅の仕様を簡単に比較してきました。

ランタサルミでは上記のように基礎の構造(地熱)・屋根の構造(遮熱)・ログ材による壁構造(調湿)にこだわり、その性能をあわせることで一つの大きな自然の力を利用したエアコンのような家づくりを行っています。

また、一般住宅では断熱材の性能や施工精度がそのまま住み心地に影響することや、建材自体には温度や湿度を調整する機能が無いので冷暖房への依存度が大きくなることもお分かりいただけるかと思います。

 

また、ランタサルミでは隠れた部分の構造へのこだわり以上に美しいデザインを追求しています。

性能も大切ですが、やっぱり格好いい家に住みたいですよね。

目には見えない性能は格好いい暮らしについてくるおまけみたいなものかもしれません。

 

U様のお宅はランタサルミの「ラシア」というモデルをアレンジしています。

ちょうど秩父の方で昨年完成したお宅が同じモデルで こちらのブログで紹介されているのでご覧ください。

ログハウスといえば、キャンプ場のバンガローを想像される方もいらっしゃるかと思いますが、ランタサルミでは美しい北欧住宅としてのログハウスをご提案しております。

U様の建て替え工事を通して一般的に作られている住宅との違いや、おろそかな構造のログハウスではないことを見ていただければと思います。

 

また、ログハウスを語る上で忘れてはいけないのは解体時の産業廃棄物についてです。

ほとんどが木で出来ているログハウスは解体時に再利用されたり燃料として使用することもできます。

今が快適で未来の負担も少ないログハウスの工事の様子はこちらの進捗状況施工例で見ることが出来ます。

 

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近所の畑の脇にキャタピラで作られた花壇を発見!  

 

 

長くなりましたが、解体工事を通してのログハウスと一般住宅の違いのお話でした。