蓄熱・通気・遮熱とログハウス(4)

基礎断熱、地熱利用、自然素材、通気、断熱、遮熱についてログハウスの施工例を通してお話をしてきましたが、その(4)は北欧仕様の木製サッシのお話です。

地熱や土や木などの自然素材、分厚い「かや」材による屋根の遮熱構造は昔ながらのかやぶき屋根などで利用されてきた自然素材で

「日本の家は夏を主とすべし」発想では効果を発揮してきましたが、いかんせん冬が寒い。

それでいつのまにか冬暖かい住宅が快適な住宅で、夏はエアコンがあるから大丈夫。

という電力頼りの逆転の家づくりになってきたわけです。

目指すのは新しい素材や技術に昔ながらの知恵と工夫をとり入れた

「夏を主として冬も暖かい」家づくりです。

エアコンが無かった時代に積み重ねた工夫を取り戻し、冬も快適に過ごしていただきたいと思います。

ログハウスの施工例をとおしてお話をしていますのでランタサルミログハウスで使用されている木製サッシをご紹介します。

 

 北欧仕様の木製サッシです。

分厚い木枠を使用してガラスはペアガラスのLow-Eガラスを使用しています。

一つの窓がレバー操作で気密性と3つの換気機能を持っているのが特徴のドレーキップ窓と呼ばれる窓をご紹介します。

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北欧独特のドレーキップ窓と呼ばれる窓はレバーの操作で換気量を変えることができます。

上の写真のレバーが下を向いている状態が閉まっている状態で断熱性・気密性・遮音性に優れています。(性能も優れていますが見た目にも美しいい窓です)

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次にレバーを横向きにすると内開き状態になります。

換気量を増やしたい場合や外側の窓を掃除したいときなどはレバーを横向き(内開き)で使用します。

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次は斜め45度です。

この位置でサッシが少しだけ緩くなり、いわゆるすきま風を作ることができます。

 

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最後はレバーを上にした状態です。

レバーを上にすると内開きの状態の上の蝶番が外れて内倒しの状態になります。

夏場などはこのままお出かけすることができるので外出中も常に窓からの自然換気を行うことができます。

というように一つの窓で気密性を含めると4つの機能をもつのがランタサルミの木製ドレーキップ窓の特徴です。

 

昔ながらの夏向きの家はすきま風が家の中を自由に出入りしていましたが、

技術の向上とサッシの性能で、望まない空気は入れず、換気はオーナーが計画的に行うことになります。

特にログハウスの場合は継続的に暖房を行うと木材自体に熱が蓄えられるので輻射熱で暖められた快適な空間が出来上がります。

サッシの気密が弱かったり、隙間の多いログハウスの場合は冬場に薪ストーブで部屋を暖めても薪を燃やすための酸素を隙間から冷気として室内に取り込んでしまうために朝方の室内は外気温と変わらないほどに寒くなってしまいます。

高機能のサッシのおかげで住宅の気密性能の上げ下げが自由にできるようになるだけに壁や屋根の気密性は丁寧な施工で保ちたいところです。

 

ということで、長くなってしまいましたが実際のログハウスの施工例を通して地球にもともとあるエネルギーや素材を利用した快適な家づくりをご紹介してきました。

特に温度計の実測値などではその効果を確認することが出来て良かったと思います。

地熱や土や木を利用した家づくりは何世代にもわたって命を受け継いできた実績付の家づくりです。

室内に入った感覚的には温度や湿度の数値はもちろんですが、どのお宅も言葉では表せない快適さを感じることができます。

 

少し前のブログでも書いた福島の木造仮設住宅でも地元の木材がふんだんに使用されていました。

仮設住宅での心のケアが問題となる中で木材の良さ、自然素材の心地よさをあらためて認識をしていただいて、木材が住まう人の心にまでお役にたてればいいなあと思います。

プレハブ型、木造、ログハウス・・と仮設住宅においてもいろんな住宅が作られています。

勝手な想像で申し訳ありませんが全部が木で出来ている空間に暮らしたら少しでも気持ちよく目覚め、後ろ向きの発想にはなりにくいのではないかと思います。

住まうのは人間で、保管庫や保冷庫的に作られた家づくりでは心地よくはないということが少しずつわかってくるのではないかと思いつつ、ご紹介してきた家づくりをさらに前へ進めていきたいと思います。