前々回のブログの続きです。
建物の内部での四季を通しての温度差を少なるすることが節電の時代に目指すところです。
まずは
- 冬場の床下の温度を上げる
- 居室内に調湿素材を使用し、空気の流れを考慮する
- 屋根裏の温度を下げる
節電の時代の家づくりを目指していくと先人たちの家づくりに戻っていきます。(電気はなかったですから)
先人たちの家づくりの知恵は「夏を主とすべし」といわれるように夏向きの家づくりでした。
分厚くワラを敷き詰めた屋根の遮熱構造、木やワラ・土壁の自然素材を使用した屋根と壁に土間をつくり地熱を有効利用しています。
ただ、やっぱり冬が寒すぎたんでしょうね。
「暖かい=快適」が家づくりの主流となり居室内を断熱材ですっぽりと覆う家づくりが中心になっています。
現代の加工技術と新素材で進化していくログハウスの作り方は昔ながらの家づくりにも共通点が多くあります。
まずは基礎の作り方です。
基礎はコンクリートの外側を断熱することで地面にもともとある地熱を利用します。
地熱は年間平均で16℃前後と安定しているため、床下の地熱を利用することで建物内の四季を通しての温度差を少なくすることができます。
たとえば冬場外気温が0℃でも床下は8℃、夏場外気温が30℃でも床下は20℃前後という具合です。
昔ながらの家づくりにも利用されていた地熱ですが基礎の構造としては鉄筋とコンクリートを利用して建物を面で支えることでさらに頑丈な家づくりに進化しています。
外側で断熱された基礎の上に木を組んでいきます。
ログハウスは外壁、内壁、断熱材の役割を無垢の木ですべてまかないます。
無垢の木には断熱効果のほかに調湿効果と蓄熱効果、さらには森林浴効果など精神的な面でも住み心地をよくしてくれます。
また、ログとログの間に気密パッキンや断熱材を入れることで気密性や漏水に備えています。
ログハウスは建具の性能も向上して気密性・遮音性を高めています。
昔ながらの家づくりと大きく違うのは、外気は住まう人が管理して入れるもので隙間から勝手に出入りしない点です。
壁構造が出来ています。
しっかりとした加工で組まれた木は耐震性にも優れています。
一般住宅の断熱材を入れた壁は断熱性能しか持っていないのに対して
無垢の木は断熱材であり、調湿材や蓄熱体にもなり、住まう人に快適さを与えてくれます。
また、無垢の木で出来ているということは表も裏もないので壁の中で問題が起こる心配はありません。
妻壁部分はツーバイ工法を応用して作ります。
こちらも無垢の木を使用し、通気工法を採用しています。
外壁の外側で通気させることで耐久性を上げて遮熱・断熱効果を高めています。
ということで、地熱利用と無垢の素材を利用することによる単なる断熱構造やエアコンに頼らないスマートな家づくりをログハウスの作り方を通してご紹介しておりますが、
さらに長くなってしまいそうなので今回は壁までのご紹介で、屋根の遮熱構造や木製建具の性能についてはあらためてご紹介させていただきます。