一年点検と「リカス・アイカ」

先週末は韮崎市のランタサルミログハウスU様のお宅の一年点検に行ってきました。

U様のお宅はバーチャルツアーでもお世話になってる、「ラシア」という45坪を越えるログハウスです。

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ログハウスの一年点検では、ログハウス独特のセトリングという、ログ材の収縮によるボルトの緩みなどを調整したり、ドア・窓のたてつけ、床下の配管の点検やカビや虫が発生していないか、などの点検を行います。

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ログ壁全体を貫通している通しボルトの締め付けを行うと、一年でどのくらいセトリングしたかがわかります。

20mm位ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

全体的には、ランタサルミは材料も良質で、施工もしっかりできていますので、ログハウス特有のくるいは少ないですが、3年目くらいまでは、こまめに見ておくと、気持ちよく暮らしていただけるかと思います。

建物を、こまめに見させていただくのに重宝しているのが、こちらの「リカス・アイカ」です。

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 ランタサルミ通信「リカス・アイカ」です。

2か月おきの発行で、フィンランド情報や施工例に加えて、全国の販売店情報などを紹介しています。

ちなみに「リカス・アイカ」はフィンランド語で豊かな時間という意味です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うちは、施工エリアが広くないので、OBオーナー様のところへは、リカス・アイカは手配りでお届けしております。

その都度、様子も見れますし、お話も聞くことができるので、とても便利に使わせてもらっています。

使用感など、その時の住み心地を直接聞けることや、実際に四季を通しての住み心地の良しあしを体感することが出来ることも、とても参考になっています。

今回の点検でも、U様のお宅の一年間の電気代を計算していただいたのですが、46坪、5人家族の暖房費を含めたオール電化の電気代が年間16万9千円ということでした。  

ご主人曰く、「うちはあまり節電してませんよ」 とのことですが、安いですね。 

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薪ストーブの薪代は別ですが、この大空間の暖房高熱費としては 安いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、電気代が安いからと言って、住み心地が悪ければ、豊かな時間は味わえません。

以前のブログでも紹介した、U様のお宅に設置している家庭用アメダスのデータを見せていただきました。

下の写真は、昨年の10月末から今年の1月20日までの外気温と室温の変化のグラフです。

 

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赤が外気温で緑が室温です。

外気温の変化に比べて、室温が、20~25℃で安定しているのがわかります。

緑の室温が下がっている場所は、お正月休みで家に誰もいない時ということでした。それでも16℃はあります。ちなみに、サーマスラブの設定温度は12月は30℃で1月からは27℃に下げたということです。

 

 

一般的な住宅でしたら、緑の室温は5℃~25℃くらいの大きなジグザグで、部屋間による温度差も大きいと思います。

「前に住んでいた家は、どんなにファンヒーターを焚いても18℃以上にはならなかったけど、この家は油断してると30℃くらいまで上がっちゃいますね」とご主人。

全体としては、室温が少し高いような気もしますが、薪ストーブを焚くとどうしても、室温は上下します。

全館18~20℃設定あたりがおすすめかとは思いましたが、薪ストーブは楽しみでしょうから、少し高めのご様子でした。

いずれにしても、建物の性能と暖房の組み合わせに余裕があると、ご家族のお好みの温度設定で安定した暮らしが出来ることもわかってきます。

それにしても、在宅時には24時間、ほとんど20℃以下にならない家の光熱費としては安いですね。

 

湿度のほうも安定しています。

下のグラフは、赤が外、緑が室内の湿度を表しています。 

 

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こちらは、ログハウスの特徴である、調湿効果が良くわかるグラフですね。ほとんど外の湿度変化の影響を受けていないように見えます。

 

 

 

 

 

 

 

薪ストーブの頻度が上がるにつれて湿度は下がっていきますが、それでも40%くらいはありそうです。

1年を通して快適な住環境を作るには、温度も大切ですが、湿度も見逃せないところです。

 

ちなみに、我が家は薪ストーブが主暖房ですが、寒さを感じないようにするには、下の写真のように室温23℃湿度23%って感じになってしまいます。

室温を保とうとすると、湿度がどうしても低くなります。

 

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 薪ストーブが主暖房だとどうしてもこんな感じになります。

それでも、足元や北側の水廻りなどは、やはり寒いですし、火が消えると朝方は10℃くらいまで下がります。

また、湿度が低いので、室温が下がると体感的には寒さを感じます。

 

 

 

よく、「ログハウスは寒い」 というお話を聞くことがありますが、ログハウスはシェルの加工や施工方法でここまで保温性能を発揮することができますし、ログが寒いのは、加工は別としても、主暖房と湿度の関係もあるかと思います。

 

 

 というわけで、長くなりましたが、1年点検と「リカス・アイカ」に交えて、室内環境のお話でした。

オーナー様からいただく貴重なデータのおかげで、次第に私達の目指す「豊かな時間」が具体的な数字で見えるようになりました。

せっかくだから、格好良くて、住み心地の良い住まいに2ヶ月に一度訪ねられるように、工夫を重ねていきたいと思います。

 

最後になりましたが、訪問時には、いつもお茶などお誘いくださり、ありがとうございます。

すぐに上がってしまうので、お気遣い無くお願いします(笑) 

それでは、皆様、 豊かな時間を!!