カレンダーのお届けシリーズも折り返しの6月を迎えました。
6月は八ヶ岳エリアの大泉町にあるT様のお宅なので今日はT様のお宅をご紹介します。
八ヶ岳高原でのリタイヤ後の生活ベースとなるキルカスというモデルのアレンジです。
日照時間の長い北杜市で大きく窓をとることで明るい室内空間を作り出しています。
建物の両側にあるウッドデッキにもかかる大きな屋根や深い軒は外壁を守り、メンテナンス頻度を少なくしてくれます。
明るいリビングです。
蓄熱式の24時間全館暖房サーマスラブの採用で、寒冷地での起床時の寒さや部屋間の移動時のヒートショックを感じることのない住宅です。
補助暖房として薪ストーブを採用しています。
T様のお宅は2月の完成から間もなく一年が経過しようとしていますが、木材の蓄熱・調湿効果やサッシの性能、屋根面の遮熱・断熱効果、土壌蓄熱式暖房サーマスラブの採用で一年を通してとても快適な空間となっています。
特に、夏が涼しいのと冬場の起床時やトイレに行くときに廊下やトイレに温度差が無いのが快適だとおっしゃっていました。
水廻りも温度差の無い環境が出来上がります。
サーマスラブの施工写真です。
基礎の下の地面を暖めることで家全体を暖める方法で、地面にもともとある地熱を利用するため深夜5時間のみの通電で24時間、家の中を寒くない状態にしてくれます。
サーマスラブパネルが地面と基礎のコンクリートを暖めるので、家中暖かいという表現よりは家中が寒くないといったほうがわかりやすいかと思います。
約一年が経過して蓄熱式の24時間暖房と木の持っている性質がとてもよく合っているということがわかってきました。
ログハウスに使われる壁はすべて木で出来ています。
木はいったん温まると冷めづらいという蓄熱効果を持っています。
断熱材と石膏ボードで出来た壁はどんなに厚く断熱材を入れてもこの熱を蓄える力を持っていません。
玄関の扉や造り付の玄関収納扉などもすべて無垢材を使用しています。
サーマスラブの蓄熱暖房の特徴は冬の間中、24時間、コントローラーで室温管理をしてくれるところです。
室内のソファー・家具・調度品なども次第に熱を蓄えてくれるため、部屋全体を暖めすぎずに寒くない状態にしてくれます。
分厚い木の玄関ドアや玄関収納扉・玄関の床のタイルなども一度温まると熱を蓄え、室温の維持に使われることになります。
断熱材で作られた壁やベニヤの建具にはない木の持つ熱を蓄える性質を生かした心地よい暖かさです。
蓄熱式の暖房と木の性質を生かした冬の快適さを簡単にご紹介しましたが、木の持つ性質は夏も住まいを心地よくしてくれます。
木が持っている特徴には熱を蓄えることのほかに湿気を吸ったり吐いたりしてくれる調湿効果があります。
その効果を十分に快適な住まいに生かすには屋根面での断熱と遮熱をしっかりやる必要があります。
自然素材を水発泡させる現場吹付け断熱を採用しています。
断熱材を隙間なく発泡させることで断熱層をしっかりと作り上げます。
こちらは屋根面での通気素材です。
屋根材のすぐ下側で屋根面全体を換気してくれる優れもので、屋根下地に使用される合板の蒸れを防ぎ、屋根面での結露防止にもなります。
夏場の快適さには自然換気も必要になりますがランタサルミのドレーキップ窓は不在時に内倒しの状態で出かけることができますので出かけるときにも自然換気を行うことができます。
夏場の使い勝手にあわせて閉めた状態での気密性も高く、ハンドル操作ですきま風を作る換気状態にすることもできます。
ご紹介した素材や設備の採用で一年を通して、温度・湿度が安定した夏も冬も快適な住まいが出来上がっています。
一年中安定した地熱を利用して温度を安定させ、木材の調湿効果を利用して湿度を安定させます。
その両方の効果を上げるためには屋根面での断熱と通気がとても大切になってきます。
精神的な面でも木をふんだんに使うことによるリラックス効果が快適さの大きな要因になります。
深く呼吸してみたくなる室内になりました。
まだ、一年が経過していませんので正確なところは別の機会にご報告できればと思いますが、現状の建物の性能で太陽光発電の4kwを設置すれば寒冷地のログハウスで全館暖房を採用して冷暖房光熱費ゼロ住宅も夢ではなさそうです。
日照時間の長い八ヶ岳南麓エリアでは屋根面積の大きいデザインを採用することで、太陽光発電システムの設置スペースに利用できます。
あわせて夢のお話ですが、自動車が電気で1円/kmで走るとすれば年間1万km走行で1万円、住宅にかかる冷暖房光熱費が限りなくゼロ円に近付けば贅沢な薪ストーブの補助暖房費としてシーズンで5万円使ったとしても冷暖房光熱費と自動車の燃料費を合わせても年間10万円以下でおさまってしまいます。
T様のお宅を通して、リタイヤ後の生活設計が難しい今だからこそ、計画的に設備投資をして、光熱費をかけずにおくる上質な老後の生活を早いうちから設計することをおすすめします。
「自然の中で一年を通して快適に過ごす上質な暮らし」
目標に向かって頑張りましょう!!